2020-01-01から1年間の記事一覧
たとえばの話だ。大工が大工でなくなったらどうだろう。大工が大工でなくなるとき。それはさまざま考えられる。それは第九。あるいはdick。言葉遊びでしかない、ということでもいいじゃないか。そう、なんでもいいのだ。であるならば、ネオ大工ってのもあり…
「俺さあ、いま貯休してんだよね」こんなご時世であるから、普段はあまり気乗りしないことだけれども、ときどきこうして時流に乗るようなことをしてみたりもする。学生のころから使い続けている安物のノートパソコンのファンが少し心配になるぐらい大きく唸…
生活において必要不可欠なことやものは数あれど、そのなかでもほとんど前提条件として要求されうるであろうことは『住む』ことである。であるからして、我々には四方を壁に囲まれた『箱』すなわち『家』あるいは『部屋』という場所がほとんど必須になってく…
「それでは次は2班のみなさんの発表です。よろしくお願いします」小学3年の初秋、灼熱の夏季休暇を終え学び舎へと舞い戻った我々2班は本番を迎えていた。本番とはつまり実践。実践とはつまり正念場。家庭科の授業内で厳かに執り行われた夏季休暇のグループ課…
こんなゲームをご存じだろうか。その名も『誰得できるかなゲーム』。必要な人数は3人以上。ルールは簡単。3人のうちのふたりが向かい合いじゃんけんをして先攻後攻を決める。残りの人間は審査員として彼らを見守る。後攻が「誰得できるかな?」と言ったあと…
終電の時間を裕に過ぎてなお続いた仕事を終えた日のこと。私は私以外誰もいない会社のソファに倒れるように沈み込み、さまざまな鳥たちがいよいよその耳障りな鳴き声とともに爽やかな朝を運んでくる直前の時間まで眠った。それから地下を騒々しく這う鉄の蛇…
新しいものを買うことが苦手だ。物欲がないということではなく、少し前に話題だったミニマリストとかいう類の人種でもない。なにが苦手かというと、当然のことながらあらゆるものには一長一短というものがあり、つまり想像のとおり機能するようなものはほと…
近所に行きつけの定食屋がある。長い年月を感じるのれんと店内に染み付いた油のにおい。白髪まじりの店主はいつも機嫌が悪そうな顔をして厨房に立っており、きっと近所の大学にかよう女学生であろう給仕はいつもニコニコ笑っている。オーガニックがどうのミ…